BOOKS
弱者でも勝てるモノの売り方 お金をかけずに売上を上げるマーケティング入門

上杉惠理子
ぱる出版
発売日:2019-04-13

BOOK REVIEW

今回ご紹介するのは、『弱者でも勝てるモノの売り方』(ぱる出版/2019年)です。

著者は上杉恵理子さん。マーケティング戦略コンサルタントをされています。環境創造企業株式会社エステムでの営業企画部勤務を経て、星野リゾートに入社。星野佳路代表のマーケティング志向に感銘を受け、日本各地の地域魅力を発信する観光業のミッションとマーケティングの面白さにのめり込む。独立後は「和装イメージコンサルタントとしても活躍しています。

「売らずに売れる」状況を創るのがマーケティング

本著は、祖父母の代からの喫茶店を継いだ主人公が、業績を回復させるストーリーを通じて、マーケティングの基礎を学ぶ入門書です。マーケティングと聞くと、難しい用語から馴染めない方も多いのではないでしょうか。しかし、喫茶店のストーリーとともに用語や事例説明が入っているため、楽しみながら読み進めることができます。

本著の構成は以下の通り。

第1章 店主エミがやらかしたマーケティング的にマズい3つの行動とは?
第2章 喫茶店ワーグナーの「強み」を3C分析で掘り起こす
第3章 STP分析で見つけたエミの理想のお客さん
第4章 4P分析でワーグナーのすべてをお金に換える
第5章 資金ゼロからのSIPSプロモーション戦略
第6章 クロスSWOTで「弱み」を「強み」に変える
第7章 マーケティングに終わりなし進化し続けるためのツール

3C分析で喫茶店の強みを掘り起こす

3C分析とは、顧客=Customer、競合=Competitor、自社=Companyの3つの頭文字から取ったもので、この三者を抑えるとマーケティング分析に漏れがなくなると言われています。それでは、喫茶店では最初にどこから着手をしたのでしょうか?


「自社が提供したいこだわりと、お客さんとのニーズが重なり、競合他社がまだやっていないこと、ここがこのお店の商品です」

(本文より)

売れる商品・サービスを作るためのバリュープロポジションを創ることから始めたのです。
本著の喫茶店では、祖父母の代から3代営業しているお店。レコードプレイヤーとレコード、喫茶店の天井が音を反響させるための工夫をされていること、そして音声自体、CDなどのデジタル音が中心になっていて、アナログな音を提供できる場所が少ないと思いそこに価値を見出します。

4P分析で商品を売るモノを見つける

マーケティングの4Pとは、Product=商品、Price=価格、Place=流通、Promotion=販売促進でこの観点で考えると、売り方の視野は広がると言われています。それではこの喫茶店で考えたのはなんでしょうか。

Productを改革することから始まります。内装は音楽を楽しめるようにするレイアウトの変更、そしてメニューは創業時の味を生かしながら働く若い女性に向けたテイストに変更。Priceはメニュー価格の見直しのみならず、レストランPOSを変更。Placeは営業時間の変更、Promotionはコストをかけない形で自社のホームページや月額課金される手段を避け、FacebookページやInstagramを使うなどの工夫をしていきます。

本著はマーケティング用語を実際の例にまで落とし込まれていて、イメージとともに理解ができるのが最大の特徴。裏表紙でオススメする人として、マーケティング担当者などを挙げておりますが、さらに新入社員などのマーケティング初心者にもオススメしたい一冊です。

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