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会社を殺さないための「事業承継」の教科書 -最高の2代目は、いかにして完成するのか

野見山勇大
きずな出版
発売日:2018-11-20

BOOK REVIEW

今回ご紹介するのは、『会社を殺さないための「事業承継」の教科書』(きずな出版/2018)です。

「つぶれかけの会社を継いで、V字回復できたワケ」

本書は2代目〜3代目が適切な知識を得ながら早急に事業承継を成功させることを目的にした書になります。127万社に後継者がいないと言われ、ロボットや技術革新が進んでいるいまこそ、若くて新しい考えが必要になってきます。そこで、どのような会社が時代遅れになっていくのか、選んではいけない後継者のタイプ、後継者が空回りするケース、後継者の評価軸、後継者が味方にすべき5人の人について著者の経験に基づいてまとめられています。

事業承継の際の障害と事業承継のパターンとは

最初の章では事業承継の際の障害と事業承継をパターン分けされています。

まず事業承継に出てくる一般的な障害とは、

  1. 明確な目標がなく、行き当たりばったり
  2. 先代からの付き合いのあるお客様の影響力が強い
  3. なじみのある金融機関との関係に苦労する
  4. 古株社員や協力業者との力関係
  5. 親子関係の問題を職場に持ち込む

しかし著者は、それらは問題ではなく、世代交代を機に社内体制の強化を図れるチャンスだと捉えています。

また、事業承継のパターンとは

  • 経営者賛成、後継者賛成→共通のビジョンをつくっていく「理想の勝ちパターン」
  • 経営者反対、後継者賛成→経営者が完璧主義を捨て、後継者の改善点を指摘する「すれ違いパターン」
  • 経営者賛成、後継者反対→後継者に自信をも持たせるために経営を体験させる「自信欠如パターン」
  • 経営者反対、後継者反対→M&Aや売却も視野に入れるべき「再検討パターン」

以上のカテゴリーに著者は分けております。

やる気がある後継者を空回りさせる思い込みとは?

後継者が決まり、事業承継された後に出てくるのが「やる気のある後継者の空回りさせる思い込み」。著者はその思い込みもパターン化されております。

  1. とにかく勉強すれば成功できる
  2. 人脈があれば成功できる
  3. 知識・経験があれば成功できる
  4. 社員は経営者のことを理解してくれる

フォーカスをしたいのは④「社員は経営者のことを理解してくれる」。元々の社員は変わらないことを期待しているため、やる気のある経営者との間にコンフリクトが生じる可能性があり、その問題を解消するためには、承継する経営者はまずは結果を出すことが大切と述べています。

実際に体験したからこそ語られる内容は、必読!

本書は実際に事業承継を経験した著者が、経営者向けに書いているものですが、第4章の「後継者育成度がわかる評価テンプレート」は大企業での経営者の承継にも使える内容になっていますので、家族経営を承継される方のみならず、大企業でも経営サイドを目指されている方には手にとっていただきたい一冊です。

著者は野見山勇太さん。大学卒業後に三重県にあるご実家の溶接会社に就職。会計士から不可能と言われた融資を取り付けて会社を再建。その他、世界最先端のマーケティングなどを学び、顧客を12倍に増やす。給与水準は30%アップにも関わらず残業時間は20%にカットに成功した上で過去最高益を達成。テレビ、新聞など各種メディアからも、依頼がくる話題の2代目経営者です。

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