BOOKS
銀行員転職マニュアル 大失業時代を生き残る銀行員の「3つの武器」を磨け

大杉 潤
きずな出版
発売日:2019-03-15

BOOK REVIEW

今回ご紹介するのは、『銀行員転職マニュアル』(きずな出版/2019年)です。

著者は大杉潤さん。早稲田大学卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に22年間勤務した後、新銀行東京の創業メンバーに。人材関連会社、メーカーの人事責任者を経て、2015年よりフリーのコンサルタント、研修講師、ビジネス書作家として活躍されています。著者が現在の仕事をするに至ったきっかけの一つが読書。社会人1年目より年間300冊の多読を継続し、累計10,000冊のビジネス書を読破されています。

なぜテーマが銀行員の転職なのか?

2017年秋に3大メガバンク(三菱UFJ、みずほ、三井住友)が合計で3万人規模の人員削減が発表されました。新卒採用の抑制や現銀行員の出向や転籍の早期化による対応が主ですが、優秀な銀行員は積極的に転職市場に出るのではないかというのが、著者の予測するところです。著者自身、日本興業銀行(現みずほ銀行)から新銀行東京への転職を経験、さらに転職後に1,000名を超える金融業務経験者の面接を経験されたことから、転職に強い人材の見極めができるようになったそうです。そこから導き出された答えは、銀行員はもっと活躍できるポテンシャルがあるということ。具体的に内容を見ていきましょう。構成は以下の通り。

第1章 銀行第崩壊へのカウントダウン
第2章 「銀行員は転職に有利」は真実か?
第3章 【銀行員の武器1】財務リテラシー
第4章 【銀行員の武器2】情報収集力とコミュニケーション能力
第5章 【銀行員の武器3】タフなメンタルと信用力
第6章  生き残る銀行員になるためにやるべきこと

銀行員の転職市場における武器とは?

上記からもわかる通り、銀行員の武器は「財務リテラシー」「情報収集力とコミュニケーション能力」「タフなメンタルと信用力」の3つです。

一つ目の「財務リテラシー」とは、端的にいうと「決算書が読める」ということです。ビジネスマンに必須の能力でありながら、理解できていない方が非常に多い。その点銀行員は、決算書を読むことができるのは当然のこと、決算書のできる背景や経営者が語るミッション、ビジョンの真意、投資計画と資金使途の整合性までチェックできるのです。また、銀行は業種横断的に決算書を見ることが必須の要素。そのため他業種に比べた財務リテラシーは高いのです。

二つ目の「情報収集力とコミュニケーション能力」ですが、ベースとなっているのが「お金」を扱う仕事であるが故、「絶対にミスや不正を起こさない」という考えが徹底しています。それが2〜3年の短期間に行われる人事ローテーションにも反映されています。その間、常に新しい情報収集、自らの情報分析とアウトプットを求められ、勉強量も半端ない分量になります。また、企業から融資を引き出すためにビジネスマッチングし取引先の売り上げに貢献するなど、日頃の活動の中で高度なコミュニケーション能力が培われているのです。

三つ目の「タフなメンタルと信用力」は、銀行の働く環境に起因しています。まず、銀行員のタフなメンタルは長時間労働から来ていること。これまでの慣習で長時間働くことが人事的な評価につながっていたそうです。その後、人事制度が成果主義に変わっても、世間の動きに徐々に合わせる一方で銀行独自のカルチャーを理解して、さまざまな理不尽なことに耐えられる忍耐力も求められていたのです。また、信用力はお金を扱うが故の人と人との信用力。期日を守るなどが挙げられます。

銀行員の強みを知る一方で、金融機関以外にお勤めの方も転職に大切な要素だと気付きませんでしたでしょうか?著者は銀行員とした金融機関にお勤めの方へのエールを送ると同時に、それ以外の業種の方にも転職の上で必要な要素を教えてくれています。ぜひご一読ください。

カテゴリー:BOOK INDEX, 大杉 潤, 著者ア行
おすすめ情報
ページトップに戻る