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セカンドID―「本当の自分」に出会う、これからの時代の生き方

小橋賢児
きずな出版
発売日:2019-05-25

BOOK REVIEW

今回ご紹介するのは、『セカンドID』(きずな出版/2019年)です。

著者は小橋賢児さん。1979年東京生まれ。1988年に俳優としてデビューし、NHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」など、数多くの人気ドラマに出演。2007年に芸能活動を休止。現在はLeaR株式会社代表取締役でクリエイティブディレクターとして「ULTRA JAPAN」の総合プロデューサーや「STAR ISLAND」の総合プロデューサーとして活躍しています。

自分の中のもう一つのアイデンティティを見つける

近年、オンラインサロンやコワーキングなどこれまでの組織にはないコミュニティが生まれてきています。そのコミュニティーでは、普段の学校、勤め先だけでは見つけられなかった、「もう一人の自分」を見つけることができると思います。また逆に、人生の逆境から「もう一人の自分」を見つけることができるかもしれません。著者はその「もう一人の自分のアイデンティティ」を「セカンドID」と呼んでいます。そして本著は、著者自身が「セカンドID」を見つけるまでのストーリーです。

本著の構成は以下の通り。
Chapter1 セカンドIDは、僕たちの経験の中に
Chapter2 ゼロになることを恐れない
Chapter3 本当の自分を解放しよう
Chapter4 人生は「想定外」に出会うことで広がっていく
Chapter5 セカンドIDをもって、本当の自分とつながる

セカンドIDは、僕たちの経験の中に

著者が芸能界に入るきっかけは、テレビ局に送った一枚のハガキ。番組のレギュラーオーディションの募集を観覧席と勘違いをし、ハガキを送ったところ見事にオーディションに合格。芸能界への扉を開きます。学校とテレビ局を行き来することにより、当時テレビ局で見た芸能人、番組スタッフなど日常と違う世界を見ることで、今の著者を作っている要素になっていると述べています。 デビュー後も1年で100回以上オーディションに応募したり、中学生でアルバイトを経験したりしていますが、自分の環境をどう捉えるのか、捉え方により見える世界も変わってくると言っています。それは著者自身が最終的に地に足をついた生き方に達したことにより得た気づきだと思います。目の前のことに真剣に取り組むことを教えてくれています。

人生は「想定外」に出会うことで広がっていく

人生には想定外の出来事もあるかと思いますが、著者のいう「想定外の出来事」は何だったのでしょうか?それはインドに行ったことにあるようです。イベントプロデュースの仕事を多数いただけるようになり、自分の感覚を一度リセットしたい衝動に駆られたそうです。活躍し、SNSで周囲が語っていることが自分自身の考えとなってしまうような感覚に見舞われたのだとか。そして思いついたのがインドへの旅行。実際に3ヶ月間バックパック一つで渡航。そのうち10日間は瞑想で自分自身との対話を繰り返すことで、日本での日常の当たり前がそうではないことも目に見えてきたのだとか。そしてインド旅行で気持ちがリセットされた著者は「STAR ISLAND」という大規模な花火イベントのプロデュースも成功させることになるのです。

世の中の成功本には、自分の未来を先取りするという「未来思考」が多いかと思います。それは自分の得たい未来を描けるメリットはある一方で、目の前のことを大切にできない人も出てくるのではないでしょうか。そうではなく、目の前のことに目一杯取り組み、本当の自分に出会うことで毎日の生活をイキイキとしたものにしよう、そんなメッセージが伝わってくる一冊です。

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