食のチカラで
子どもとお母さんの心と身体を健康にする
ギール里映さんインタビュー

一般社団法人食べるトレーニングキッズアカデミー協会の代表理事を務め、「食のチカラで自らの夢を叶える子どもたちを育成しよう!」と、親子を中心に食の大切さを伝える活動をしているギール里映さん。
初の著書『子どもの能力を引き出す最強の食事』が目前に迫っていますが、今回どんな想いを込めて本を執筆されたのでしょうか。 活動の軸となっている食に対する考えや、本の活用法などについて、お話しを伺いました。

きっかけは父親の癌、食のチカラを自ら体感

―今回は、初の出版おめでとうございます! 現在、「食べるトレーニングキッズアカデミー」通称食べトレで、食の大切さを伝える活動をされていますが、今のお仕事を始められたきっかけは何だったのですか?

一番のきっかけは、父が癌になったことです。私は父を何とか助けたかったので色々調べた中で、食事で病気が治ることを確信しました。
私の実家は京都で京料理屋を営んでいて、もともと私はいつも美味しいものを食べていたけれど、健康ではなく少し太っていたんです。でも学んだ食事療法を自分で実践してみたら、みるみる体調が良くなりました。それで、父にもやってほしかったのですが、頑固だったので聞き入れてもらえず、父はすぐ亡くなってしまいました。 ただ、父の病気のおかげで食事の力を知ることができたので、今はその知識を軸に、子ども向けの食事コンテンツを、お母さんたちに提供しています。

―里映さん自身が変わったのを見られても、お父様には聞いていただけなかったのですね。

人の心は簡単には変わらないんですよね。私が普段接する方でも、食事が大事と分かっていても、今日すぐに食べるものを変えるという人は居ないんですよ。皆さんお付き合いもありますしね。
父も、頭ではわかっていたと思うのですが、戦争体験者ということもあり、食事を我慢することへの抵抗が大きかったのだと思います。 そのくらい、人の記憶は食事と強く結びついているものなので、だからこそ、子どもの頃から食事に対して良い記憶を作っていかないとという思いで、今活動しています。

食の大切さを広めるために

―今回、初めて出版されますが、それはどういった経緯だったのですか?

食べるトレーニング―通称「食べトレ」のインストラクターさんを育てていて、現在70名ほどの方に活躍していいただいているのですが、その方たちに、より安心して活動してもらうためには、ということを考えたのが一番の理由です。
昨年協会を立ち上げたのも、個人ではなく組織の方が、信頼度が上がって皆さんが活動しやすいだろうと思ったからです。さらに信頼度を上げるためにはどうすれば良いかを考えたとき、出版しなければならないと思いました。紙の本を作って、全国の書店に並べられたら、すごく信頼度が上がるのではないかなと。 それで、2年くらいかけて企画書を書いていた中で、最終的に良いご縁をいただけ、今回出版に至りました。実は、別々の出版社さんから同時にオファーをいただいて、結果的にほぼ2冊同時出版が叶ったんです。実績のないところからオファーをくださった出版社の方々には感謝しています。

―本を作るにあたって、こだわったことや、大事にしたことはありますか?

「なるべくわかりやすく」というのは、心を砕いたところです。これまで食事について全く勉強したことのない方にでも理解してもらえるのか、何回も何回も繰り返し、色んな方に読んでもらって、内容を変えたり言葉を見直したりしました。

「なるべくわかりやすく」というのは、心を砕いたところです。これまで食事について全く勉強したことのない方にでも理解してもらえるのか、何回も何回も繰り返し、色んな方に読んでもらって、内容を変えたり言葉を見直したりしました。

食を変えれば生活のクオリティが上がる

―本の中では、食事を変えることでの様々な効果を紹介されていますが、具体的に、食べ物を通してお子さまが実際に変わられた事例はありますか?

お肌のトラブルやアレルギー、便秘など、身体的なトラブルが改善するケースは本当に多いです。 また、落ち着きのなかった子が落ち着いたという例も少なくありません。発達に問題があるのではと言われて心配していたお母さんもいましたが、食事を見直して、お子さまとの付き合い方が変わることで、驚くほど落ち着いたといいます。そうなれば、お母さんもゆとりを持てるので、お子さまの個性にきちんと向き合うことができ、生活のクオリティが全体的に上がっていくんですよね。

―食べ物を変えると、どうしてお子さまとのコミュニケーション自体が変わるのですか?

食べ物の選び方を知ることで、お母さんたちの無駄な労力を削減できるというのが大きいです。
今、世の中に出回っている食べ物に関する情報は多すぎます。真面目な人ほど、それを全部やろうとして、混乱したり、やりすぎになったりします。実は、本来子どもに必要なものはそんなに多くないのに、カルシウムも、ビタミンも、タンパク質も、野菜も、あれもこれも必要・・・と刷り込まれて、必要以上のものを与えすぎているんです。 それを、そこまでやらなくて良いと言ってあげるだけで、お母さんたちの心がすごく楽になるんですよね。

―気持ちの部分がすごく大きいのですね。しかも、頑張って作っても子どもが食べてくれないことがあると、心が折れますよね。

結局それは、頑張らなくて良いところを頑張ってしまっているんです。子どもに必要なものだけを渡すことができれば、ちゃんと食べるんですよ。でも、「育児本に書いてあるから」「マニュアル通りにやらなきゃ」とするから食べない。 その悪循環をほどいてあげるだけで、お母さんの負担は減るし、子どもも自分のことを認めてもらえて、お互い楽になるんです。

今、日本の食事は全体的に食べ過ぎ、食べさせ過ぎの傾向にあるので、栄養不足りなることはありません。逆に現代の環境の中では、「何を食べないか」を考えられる子に育てることの方が大事です。

みんなが同じものを食べないといけないことへの疑問

―本の中では実際に、「食べない方が良い食材」を3つ挙げられていますよね。驚愕の3つだったのでした!(笑)

ただ、初めにもおっしゃられていた通り、絶対に食べてはいけないわけではないことを丁寧に解説されていますよね。世の中には、極端に制限することを推奨されている方もいらっしゃいますが、それについてはどうお考えですか?

デリケートな問題で、どちらの意見も間違いではないと思っています。
ただ、それよりも私は、学校や幼稚園などでみんなが同じものを食べなければならない、今の日本の状況に疑問を抱いています。

世の中にはアレルギーで食べられない人もいるのに、みんな同じものを食べなければならないと刷り込む教育はどうなのだろう、と。

ウチの子がハーフで日本の学校に行っていないというのもありますが、息子の学校では、みんなバラバラのものを食べています。人と違っていて良いんです。しかも、アレルギーの問題があるので、みんなが食べられるものしか持ってきたらダメだよというルールがあります。そうすると、例えば友達がナッツアレルギーだからナッツは持って行かないようにしようと、子どもたちは自分で考えます。 同じものを食べさせる教育は、そういう、人のことを思いやる機会を奪っているんです。私はそれが納得できません。

神経質になる人の気持ちも、そこまでしなくてもという人の気持ちもわかるけれど、問題なのは、そうした状況だと思っています。

―学校の先生も子どもと接する立場の人なので、そういう食事に対する教育について、是非この本を通して考えてもらいたいですね。

知ったときが始め時、何歳からでも変われる

本の中では、年齢別の食事で大事なポイントもご紹介されていますよね。ただ、お子さまがすでにそうした年齢を過ぎてしまっている方も、読者の中にはいらっしゃると思うのですが、そうした方はどうすれば良いですか?

実際の生徒さんの中にも、もうお子さまが成人している方も結構いらっしゃいます。今知ったことで「私がやってきたことは全部間違っていた!ごめんなさい!」みたいになる人もいるんですけど、知るタイミングは人それぞれであり、そのタイミングが「今」なんですよね。 とにかく知ったタイミングを大事にしてほしいです。「ウチの子には遅かった」と言って何もしなければ、何も変わらないどころか悪い方向に行く可能性もあります。今知ったのであれば、今からできることはたくさんあります。大きなことをやろうとしなくても、少しだけでも変えれば、それが将来を変えます。今、進む航路が1度変わったら、行き着く先は大きく変わるじゃないですか。今1度も変えなければ同じところにしか行けません。

―どんな年齢の人でも、食事で変わることはできますか?

できます。それが食事療法のすごいところです。どんな年齢の人でも変わります。

ただ、なぜ私が子どもの食事についてお伝えしているかと言うと、子どもの頃から正しい食事習慣を身に付けさせてあげることで、大人になってから私のように、食事療法ジプシーにならずに済むからです。

食事の教育が、日本にはありません。学校で食材の選び方や添加物についての知識は全く学ばないのです。それなのに、実際の生活でまともな物を選べると思うことがそもそもおかしいと思っています。

過ぎてしまった過去は仕方ありませんが、知ったのであれば、今日から始めましょう。

食のチカラで心身を健康にすることが可能性をひろげる

―「食べトレ」では子どもの5つの力、集中力、好奇心、やる気、精神力、基礎体力を提唱されていて、今回の本では、この5つの力で不足してるところをチェックできるシートがついていますよね。このシートはどう活用すれば良いですか?

この5つの力は、そのときの状況によって変わります。今日の結果と半年後結果では、その時々の体調が変わるのと同じで変化するので、ひとつの参考にしてもらいたいです。

最近「〇〇力が下がってきているな」と感じたら、それに対処する食事を心がけるというふうに。1回やって終わりではなく、定期的に使って、そのときの状況にあわせてください。 もちろん、お子さまだけでなく、お母さまに使ってもらうのもおすすめです。

―食べ物を変えることによって、親は子どもにどんな未来を与えてあげられると思いますか?

私は、すべての人間はすごい才能を持っていると、心から信じています。最初からあきらめるからダメなわけで、自分で自分にリミッターをかけてしまったら、本当にできるものもできなくなってしまいます。 そのリミッターを外す心と身体を育てるのに、食べ物が役に立つと思っています。自分を信じて、やりたいことができる心と身体を作ってさえあげれば、子どもの能力はいくらでも引き出せるんです。それを大人が「どうせ」とか「できない」とか制限してしまうと、可能性は閉ざされてしまいます。本当にしたいことをさせてあげるために親ができることは、心と身体を作ることしかありません。それが、親が子どもにできる、最も簡単で最高のことだと思います。

―子どもたちには健康な心と身体で、はばたいていってほしいですね!

未来は子どもたちにかかっていますからね。

食事のことを語り出すと、面倒だと感じられる方も多いのですが、それは本当にもったいないと思います。ご飯食べない人は世の中に一人もいません。どうせ食べるなら、自分たちをもっと元気にするものを食べた方が、良いと思うんです。だから、一歩を踏み出すということをやってもらえれば嬉しいです。

食の選び方を知ることが大切

―玄米の美味しい焚き方についても、本の中で紹介していただいていますよね。私は正直、目からウロコみたいなことばかりだったので、これで試してみようと思いました!

みんなが玄米を苦手だと思うのは、美味しい玄米を食べたことがないからなんです。なぜかというと、美味しい玄米を食べられるところがないから。だから玄米はパサパサしていて臭いイメージがあるのだと思います。
それでも大人は、頭で健康に良いからと考えて食べようとできますが、子どもはまずかったら食べません。
ただ、本当にきちんと焚くことができれば、本来は玄米の方が白米より栄養価が高く、うまみ甘みも数倍上なんです。 また、人によって美味しいと思う玄米は違います。違う人間なので、それは当然のことなんです。自分が美味しいと思うものを自分で選べることが大切です。

―子どもが食べないのが一番困りますもんね。里映さんのブログやメルマガを読めば、選び方まで分かるのでしょうか?

食事の選び方は大切にしているので、色んなところでお伝えしています。講座の中では個別にもお伝えしていて、自分にとって良いものを見つけてもらっています。自分が美味しいと思うものを自分で作れれば問題解決なので、その方法をお教えしています。

―では気になった方は本を読んで、講座へも来てみてもらいたいですね!

簡単に、手間なくというコンセプトがすごく魅力的なので、皆さまにも是非やってみてもらいたいですね! 本日は、ありがとうございました!

【ギール里映】

一般社団法人食べるトレーニングキッズアカデミー協会代表理事。
「どんなに料理がニガテな人でもできる食育」として「食べトレ」メソッドを確立。2016年から全国各地で講座を開催し、これまでに2600人以上の子育て中のお母さんに「食べトレ」を伝えている。 2018年2月、協会を設立し、インストラクター養成をスタート。1年間で150名を超えるインストラクターを養成。プリスクールなどでの講演、テレビ、ラジオ出演等も多数。

(文責:向井雅代)


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